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月収30万円でできる老後資金の積み立て計画

2025.09.16【ライフプラン・お金の知識

〜無理なく将来に備えるための積立方法と具体的なシミュレーション〜

目次

  1. はじめに

  2. 老後資金はいくら必要か?

  3. 月収30万円の家計モデルを考える

  4. 貯蓄と投資の基本方針

  5. 積立方法①:定期預金・普通預金による安全型

  6. 積立方法②:iDeCoによる税制優遇を活かした積立

  7. 積立方法③:つみたてNISAで長期投資

  8. 積立方法④:企業型DCや小規模企業共済(自営業者向け)

  9. 具体的なシミュレーション(30歳スタート・60歳まで積立)

  10. 生活防衛資金とのバランスを取る

  11. 家計に無理のない積立額の決め方

  12. 老後資金形成における注意点

  13. まとめ


1. はじめに

月収30万円でできる老後資金の積み立て計画

「老後2,000万円問題」という言葉が話題になって以降、多くの人が老後資金への不安を抱くようになりました。
しかし現実には、収入や生活状況によって準備できる金額は異なります。

本記事では、月収30万円という現実的な水準を想定し、無理なく続けられる積立方法と資産形成のシミュレーションを紹介します。


2. 老後資金はいくら必要か?

金融庁の報告書によると、夫婦2人の老後生活費は平均で月25万円〜30万円。年金収入だけでは毎月5万〜10万円不足するケースが多いとされています。

仮に65歳から95歳まで30年間生きるとすると、不足額は

  • 毎月7万円 × 12か月 × 30年 = 約2,520万円

つまり「2,000万円〜3,000万円」が一つの目安と考えられます。


3. 月収30万円の家計モデルを考える

一般的な独身または共働き世帯のモデルを想定します。

  • 手取り月収:24万円前後(税金・社会保険控除後)

  • 固定費(家賃・光熱費・通信費など):12万円

  • 食費・日用品:6万円

  • その他(交際費・趣味):3万円

  • 残り:3万円

この残りの「3万円」を老後資金に回すことを前提に計画を立てます。


4. 貯蓄と投資の基本方針

積立の基本は「安全資産」と「リスク資産」を組み合わせることです。

  • 安全資産:預金・個人向け国債 → 元本保証

  • リスク資産:株式・投資信託 → 長期で増える可能性

バランスの目安:

  • 30代〜40代 → リスク資産多め(70:30)

  • 50代〜60代 → 安全資産多め(40:60)


5. 積立方法①:定期預金・普通預金による安全型

最もシンプルな方法が銀行預金です。

  • メリット:元本保証、いつでも引き出せる

  • デメリット:金利がほぼゼロ、インフレに弱い

毎月1万円を定期預金に積み立てても、30年後で360万円+利息程度です。


6. 積立方法②:iDeCoによる税制優遇を活かした積立

iDeCo(個人型確定拠出年金)は老後資金作りに有効な制度です。

  • 掛金が全額所得控除

  • 運用益が非課税

  • 受け取り時も税制優遇あり

例えば毎月1万円を30年間積み立て、年利3%で運用した場合:

  • 積立元本:360万円

  • 運用益込み:約580万円

税制優遇を加味すると実質的な効果はさらに大きくなります。


7. 積立方法③:つみたてNISAで長期投資

つみたてNISAは年間40万円まで投資信託を非課税で積み立てられる制度です。

  • 毎月2万円を30年間、年利3%で運用 → 約1,150万円

  • 年利5%なら → 約1,660万円

時間を味方にする「複利効果」が大きな魅力です。


8. 積立方法④:企業型DCや小規模企業共済(自営業者向け)

  • 企業型DC:勤務先が制度を導入している場合、自動で老後資金が積み立てられる

  • 小規模企業共済:個人事業主向け、掛金全額所得控除、退職金のように受け取れる

フリーランスや経営者にとっては、小規模企業共済は非常に有効な手段です。


9. 具体的なシミュレーション(30歳スタート・60歳まで積立)

月3万円を積立、30年間運用した場合をシミュレーションします。

年利0%(預金のみ)

  • 積立総額:1,080万円

年利3%(投資信託でバランス運用)

  • 積立総額:1,080万円

  • 運用益:約700万円

  • 合計:約1,780万円

年利5%(株式多め)

  • 積立総額:1,080万円

  • 運用益:約1,500万円

  • 合計:約2,580万円

→ 老後資金2,000万円を超える可能性が十分にあります。


10. 生活防衛資金とのバランスを取る

積立に全力を注ぐ前に、まず「生活防衛資金」を確保することが大切です。

  • 生活費の6か月〜1年分を普通預金に確保

  • その上で余裕資金を積立投資に回す

不測の事態に備えた安全資金があることで、投資を続けやすくなります。


11. 家計に無理のない積立額の決め方

「毎月3万円積立」という目安はあくまで一例です。

  • 独身 → 余裕があれば5万円も可能

  • 子育て世帯 → 1万円程度に抑え、児童手当なども活用

重要なのは「途中でやめない金額に設定すること」です。


12. 老後資金形成における注意点

  • インフレリスクを考慮する(現金だけでは目減りする)

  • 住宅ローンや教育費とのバランスを取る

  • 投資は長期・分散・積立が基本

  • 60歳以降も働く可能性を踏まえ柔軟に設計する


13. まとめ

月収30万円の人でも、毎月3万円を積み立てるだけで30年後に2,000万円規模の老後資金を形成できる可能性があります。

  • 預金で安全資産を確保

  • iDeCoやつみたてNISAで税制優遇を活用

  • 小規模企業共済や企業型DCも組み合わせる

「今の収入では無理」と諦めず、小さく始めて長く続けることが老後の安心につながります。

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